カンボジアの旅 [3]


この旅行記は、私が現地で就寝前にメモした
内容の転写である。故に、元は手書きである。
まじめな言葉もくだらない言葉も全部手書き。
割といい年数生きてきた筈だが、小学校の夏休みの
宿題としての絵日記の方が、表現物として
しっかりしていたように思う。


  ****7/11(金)****

・朝食with筋肉痛。いえー若い。
・ビュッフェ形式で、焼きそばとパンとウィンナーと
オムレツ。炭水化物パラダイス。
・お出かけ前に、リコンファーム(念のため)と
レイトチェックアウトのお願い。旅行会社とホテルから、
両方OKの返事をもらう。絶対だな?


  ****プラサット・クラヴァン****

・テンション上がる形してる。
・ものの本(=ガイドブック)によると、ウマー、
ブラフマー、ヴィシュヌ、シヴァ、ラクシュミー
ならんでいるそう。ヴァイシュナヴァらしい。


[奥より、ウマー、ブラフマー、ヴィシュヌ、
シヴァ、ラクシュミーを祀っていた塔]


  ****スラ・スラン****

・池。水綺麗。
・土産物屋でコットンのマフラーを買って首に巻く。
(日焼け防止)。昨日からこうすればよかったんだよ…
日焼けしたから、赤くなって痛くなって痒いよー。


[池。現地の子供は泳いでる。気持ちよさそうだ。]


  ****バンテアイ・クデイ****

・ホントに石でよく頑張るよな。
・多分、割と朽ちかけてた。素敵。


[門の写真だと思う。が、アンコール・トムの
勝利の門の写真かもしれない。顔。]


  ****タ・プローム****

・スポアン(=遺跡にまとわり付く木)怖ぇ。
今、生えている木や落ちている枝を見ても、かなり
うねりがフリーダム。
・どっかのガイドが「木が枯れたら遺跡も倒れます」と
言っていた。そりゃそうだ。
・ガイドに聞き耳立てるといいことがある。穴ぼこには
ダイヤがはまってたっつー話があるとか、ここで
胸を叩くとエコーするとか。
・エコーの塔はかなりすごい。そりゃ欧米人も
「It's magic!」とか言うわ。マジックて。


[絡みつく木。奴等はやる気だ。]


  ****昼食****

・だから観光地の外人向けレストランは足元見てるよな。
いいけどさ。
・焼きそばとコーヒー。味が濃いのは塩分補給の必要からか。


  ****タ・ケウ****

・高ぇ。ドキドキしちゃう。2重の意味で。
・絵葉書を売りに来る子供に対して、「僕は専らE-mailだからさぁ」
とは白人のおっさん。うまいこと言うな。
・しかし、午後イチで早くも体力の限界。今日は一遺跡毎に
水1本の勢いだ。


[タケウは高ぇ、と口に出した。自己嫌悪が襲ってきた]


  ****プリア・カン****

・もうホントに石だ。いい根性してるよな、カンボジア人。
ブッダレリーフがあまりに綺麗に削り取られていて感心する。
でも不在がより存在を印象付けてしまっているような…
仏足石みたいなさ。違うか。
・帰り。土産買わねぇって顔で歩いてても子供たちが寄ってくる。
「レディ」「おねえさん」うんうん。「きれい。可愛いね」知ってる。
でも買わない。「きれいね、おばさん」…厭味か?意味知っとんのか。
知ってたら高度な技術だ。知らないなら、教えた奴、責任取れよ。
彼だけ売り上げ低くなるぞ。


[削られたブッダ]


  ****おやつ****

・今日も疲れた。ここはガイドブックに従って、カフェーに
行きたい。アイス食ーべーたーいーとトゥクトゥク運転手に訴える。
・ということで、アンコール・カフェへ。パイナップルアイス食べる。
うまー。マンゴーアイス売り切れてたけど気にしない。
・にゃんこを2匹程見る。珍しいよね。あとはトンレサップ湖
船上ハウスで見たくらいだ。


[ねこ。精悍な顔つきに圧され、望遠で撮る]


  ****プノン・バケンを諦める****

・サンセットを見に、プノン・バケンに行くはずだった。
しかし疲れた。目の前にアンコール・ワットあるし…昨日
観そびれたポイントあるし…。「プノン・バケンは山だよ、
登るのよ」悩む私に言うトゥクトゥク運転手。
あんたはガソリン節約したいだけだ。まあ気持ちは分かるけどね。
150円以上ってのはキツイわな。日没後山を降りる為の
懐中電灯もないしなぁ。
・そういや「懐中電灯を入手したい」という話が運転手に通じず、
ふたりして困っていた時にやってきた、日本語の分かる
他のトゥクトゥクドライバー。「夜はアプサラダンスとか見ないの?」
別に1人だし。あいむ・あろーん。「じゃあ僕呼んでよ」
ハッハッハ。なんでやねん。
土産物屋でも、「友達にプレゼントで買うといいよ!」と
言われたので、友達いないもん私、と返すと「じゃあ私が
友達になったげる!」と言われた。じゃあこのスカーフは
君へのプレゼントとして買うのか。いずれにせよ
「友達いない」という話はあまり弾幕として効果がないようだし、
無駄なアピールはしないようにしよう。


  ****アンコール・ワット再び****

・運転手との利害関係の一致により、再びアンコール・ワットへ。
・昨日は聖池の方から周り込んだが、今日は真正面から直進。
・やっぱすげぇよ。森歩いててこんなん出てきたら精舎と思うわな。
信仰心的にびっくりだよな。
・先入観があるにしろ、雰囲気がいい。ずっといたい。昨日より
壁画もじっくり見られて満足した。


[ラーマーヤナの一場面。戦勝の宴だと思うのだが]


[夕日に染まるアンコール・ワット]