エシュロン幻想


今欲しいものは、ヨーロッパのアンティーネグリジェと
チェ・ゲバラのDVD-BOXです。


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読了本乱れ打ち。


秋山瑞人猫の地球儀メディアワークス


この作者の本は初めて読んだのですが、ことばを
手の内で操れる人だなと思った。文章の組み立て方に
技術があって迷いが無い感じ。
内容も面白い。「夢がある」ということを、こんな側面から
切り開いて見せる話だとは思わなかった。私の「ライトノベル
への偏見か?


ロバート・A・ハインライン
月は無慈悲な夜の女王』(The moon is a harsh mistress)
矢野徹訳・ハヤカワ文庫SF


なるほどこれは面白い。地球と月の関係や、月世界の特性、万能の
コンピュータといった「ああ、SFだ」という側面のみならず、
独立革命を企て、それが進行していく中でのかけひきなども
しっかりしていて引き込まれる。
ただ、それだけに翻訳のぎこちなさが気にかかる。私がこういった
「翻訳調」の文章に慣れていないだけかとも思ったのだが、
どうもそうではなく、訳者が非常に「原文に対応するように」という
姿勢をとっているらしい。読んでいる最中、「この文章だと、おそらく
原文はこんな感じだろうから、代わりにこう訳したとしても、それは
意訳の範囲なのではないか」と何度も思った。でも「原文はこんな感じ」
と推察できるのは、翻訳が原文に非常に忠実であるから、とも言える。


森絵都『カラフル』理論社


密かに続くひとり森絵都フェアー。
細やかな心理の移り変わりは安心して読めるし、読後感も爽やか。


有川浩『海の底』メディアワークス


色々と粗い点はあるのかもしれないが、何かこの人の場合、
力技で読まされてしまう。パッション?
今回ももきゅーってなったけれど、『図書館』シリーズより
大丈夫だった。3回位。「暴風雨、暴風雨!総員、伏せ!」って
心の中で叫んだ。3回位。


恩田陸『エンド・ゲーム ― 常野物語』集英社


「常野」シリーズ。このシリーズが一番、恩田陸の「ことば
組み立て」が楽しめると思う。これから「常野」の存在は
どうなっていくのか。新たな展開を感じさせる。


ついでに再読本。ちょっと麻耶雄嵩フェアー。
『痾』・『メルカトルと美袋のための殺人』共に講談社
あー、メルカトルは自由だなー。自由の定義はともかく。