非日常とはしかし、誰の基準か


一回盛大に書いた文章が消えた。Backspaceキーを
押すときは、カーソルがどこにあるかを確認してから
の方が良い。今日の教訓。
なんかぐったりしてしまったので、簡略化↓


  ※※※※※

読了本。
海堂尊ナイチンゲールの沈黙』宝島社


チーム・バチスタの栄光』に続くシリーズ2作目。
今回は、前作ほど「医療ミステリ」色は濃厚ではない
けれど、「病院」を背景としたいくつかの物語の構成要素が
絡まりあっている。残念なことに、その要素が
渾然一体となって大きな流れを形作っている…とまでは
感じられなかったのだけれど(色々と個々の要素が
突出しすぎて)、最後まで惹き付けられるものがある。


その理由のひとつが、クセのある登場人物たちと
彼らの会話の軽妙さだろう。次作へと繋がるであろう
多彩な人物たちも新たに登場し(または影が示され)、
ゴ○ブリを連想させる役人という設定を背負った
白鳥の破壊力が減ってしまった感すらある。
また他にも、その会話や地の文の端々に表れることばの
語呂の良さ、リズム感の良さも上手く読み手を掴むものだ
と思う。看護師軍団や医師の呼称、また章題も然り。
これってわざとかなぁ、天然ものかなぁ…と、判断が
付かないあたりが、技なら巧みだし、天然なら得難い
ものだと思う。


続編では何かが大きく動くみたいなので、楽しみにして
います。今月末に角川から新刊が出るみたいですが、これは
シリーズ本編ではないのかな。


ところで、こういう初っ端から自分のフィールド全開で
展開しちゃった人は、次はどうするんでしょう。古処誠二とかは
うまいこといった方なんだろうな。
でもこの人は、本作における「バッカス星人」なんかの妙なコネタの
作りこみっぷりを見るに、まだ変な引き出しを持っていそうな
気がします。