これがきっと私の弱点


今朝、電車の中でおばあさんに席を譲りました。

「すみません、ありがとう」と言ってもらえて、
「あー、上手に席を譲れたなー。今日は気持ちの
良い日だ」などと思っていました。小心者なので、
逆に迷惑だったらどうしようといつも考えてしまうのです。


彼女は2駅ほど(といっても、快速電車だったので
時間はそれなり)だけ乗って、私よりも先に
降りていきました。
降りる際にも「どうもありがとうね。ほら、あなた
座りなさい」と言って下さり、私の腕を掴まれました。
その力が思いの他強くて、今は亡き私の祖母を
思い出しました。


そうなんだよ。おばあちゃんって、何か「がしっ」と
掴むんだよ。元が力強いと言うよりも、力の加減が
出来なくなっている感じ。いや、正確なところは
分からないんだけれど、ご老体って立ったり座ったり
何かを持ったり、私たちが日常、無意識にそれなりの
必然性のある力で、全力ではなく力を抜いて行っている
行為も、おそらくほぼ全力でしなくちゃならないんだと
思うのです。特にちっちゃなおばあちゃんは。
だからなのかな。おばあちゃんは、人をがしっと
掴むのでしょう。
赤ちゃんも、吃驚するほどの力を持っているし、あれも
必死なんだとは思うんだけれど、もっと傍若無人な感じ
がする。


「そうかそうか、おばあちゃんってやっぱり『がしっ』
なんだー」
と、今更な自分の発見に頷きながら電車に揺られる
初秋の朝なのでした。