月へのロマンと日常思考

Smart1」という月探査機があるそうです。
というより、「いるそうです」と表現したい
私の心情。


ヨーロッパが放った彼(男の子に認定)は、
明日、最後の使命を全うするために、月面へと
衝突するのだとか。その衝突により生じる
衝撃(?)や飛散する物質を調査することにより、
また宇宙研究が発展するのだそうです。
なんつーの、大根は捨てるところが無い、の
宇宙版みたいな。

そのニュースを知ったとき、なんだか切ないなぁ、と
私は思ったのです。
でもその切なさって勝手だなぁとも。
だって機械だし。

私がこのニュースを知ったのは、今朝の電車で
私の正面に座っていた小父さんが手にしていた
新聞を盗み見したからです。
電車。
大抵の電車の最期には、私は切なくならんなぁ。
勿論、人により性質はあるでしょうし、
よく親しまれた汽車の最期の走行には
人がわんさと集まることは、時々ニュースで
みかけます。
でもそれって大抵、思い入れの産物じゃないですか。
正直私は、スマート1にそれほどの思い入れはない。
だって今日までその存在すら知らなかったし。


じゃあなんで私が切なさを感じたかっていうと
まぁ、思い入れと言えば思い入れ。
つまり話は簡単で、彼がたったひとり
広大且つ深遠な(広いのか深いのか分からん)
宇宙で作業して、最期まで尽くさせられるからだ。
(表現にすら若干の擬人化が混ざる)
という風に感じてしまうのは、宇宙がまだ
未知であって、怖くて逆にロマンすら感じるから、
その影響で、機械にすら感情を、思い入れを
抱いてしまうのだ。
えーと、私の勝手なロマンを探査機に付託した
っていうことか。

そんなことを思う一方、(正直、君にはロマンを
抱けん)と失礼なことを(電車に対して)思いつつ
揺られる私。
その姿が、トンネルに入った電車の車窓に写る。
と、自分の右耳の下の髪のハネっぷりが気になって、
もう思い切ってばっさり髪を切っちゃおうかなと
考えたりする。


ロマンはどうした。


人間の思考はとかく勝手だ。
願わくは、スマート1にはそんな些末事には
囚われず、思う存分仕事をやり遂げてもらいたい。


ほら、また勝手な思い入れを抱いている。


スマート1の仕事とロマンを共有したい方は、
地上からの観測もできるようですよ。

「月探査情報ステーション」
http://moon.jaxa.jp/ja/topics/SMART-1/topics.html